2014年2月27日木曜日

三木精愛園セミナー「精神障害者の雇用を考える」に参加して、就労への焦り・自己理解と情報共有の重要性を痛感!

本日(平成22年2月26日)は、コープこうべ 協同学苑にて行われました、三木精愛園セミナー「精神障害者の雇用を考える~家族、医療、福祉で支える雇用~」に参加してきましたので、その感想を手短に記します。尚、セミナーの詳細はこちらを参照して下さい。

就労への焦りを抱えた障害者が多い


パネルディスカッションにおいて、複数のパネリストの方が「就労したい人の焦り」を度々指摘されました。経済的不安から、施設を利用後すぐに就労したいとの相談を持ちかけられたケースでは、就労への準備の必要性や生活を安定させてから就労へといった流れを説明して対処された経緯を挙げておられました。

管理人自身を振り返ってみると、「両親から経済的自立をしなきゃいけないし、奨学金の返済も今年の10月から始まるし...」といった不安から、「一刻も早く就職しなきゃ、正社員として就職しなきゃ、奨学金の返済もできない!!!」という焦りが常に脳裏にあります。

なので、今日のセミナーを受けて、まずは自分は焦っているという認識を持ち、その上で就労移行支援にじっくりと長い目で取り組んでいこうと思い直しました。

自己理解・情報共有の重要性


もう一つ、パネリストの方が指摘しておられのは、「自分を理解することの重要性」です。「自分の病名は言えても特性を面接の場や職場で説明できない人が多い」「本人が自分の障害について整理・理解できていないことが多い」といった意見が相次ぎました。

管理人自身も、「自身の特性を知り、それを周囲に説明できるようになりたい」と強く思いました。確か就労移行支援を受けるにあたってのサービス等利用計画にもそのような内容のことを目標に盛り込みましたね。

また、これはパネルディスカッション後に登壇された講師が仰ったことですが、「知る」ことがまず大切であり、その上で、知った情報は家族・友人・支援者・職場などで共有することがさらに大切であるということです。

今日のセミナーで管理人が個人的に期待すること


パネルディスカッションにおいて、「アスペルガー症候群など、特に高学歴・PC能力が高い人向けの職域(専門性が高い分野)開発に現在取り組んでいる」といったことが紹介されていました。これこそが正に管理人が望んでいる支援の形です。なので、ぜひ今後の取り組みに期待しています。

2014年2月12日水曜日

管理人があすぺさんにオススメするマインドマップ用ソフトウェア

過去の投稿で、あすぺさんにマインドマップを描いて全体像を把握することの重要性を取り上げました。今回は、そのマインドマップに関する追加投稿です。「マインドマップが有効なのはわかったけど、手書きするのはどうも…」という方には、マインドマップ用のソフトウェアを利用するのもひとつの手です。

管理人は、Mindjet MindManager、Mindjet for Android、mindmeisterを併用


管理人の場合:ノートパソコン(Windows)では、Mindjet MindManagerを使用しています。また、タブレット(Android)にはMindjet for Androidというアプリをインストールしています。

また、両方のアプリケーションで作成したファイルはすべてDropbox(インターネット上にファイルを保存できるストレージサービス)に保存しています。 Dropboxに保存しておけば、一方の端末で作成したマインドマップファイルを他方の端末で閲覧、修正することができ、インターネットに接続している限り、ファイルは常に最新の状態を維持できます。

また出先などで自分の端末が使えない時は、Web上でマインドマップが作成できるmindmeisterというシェアソフトも利用したことがあります。 mindmeisterは『Googleドライブ』にも連携しており作成したマップをクラウドに保存しておくことも可能です。

マインドマッピングソフトウェアを試した見たい方には、FreeMindがオススメ


マインドマッピングソフトウェアがどういうものか試した見たい方は、FreeMindというフリーソフトをオススメします。 管理人もまずFreeMindを最初に使ってみて、マインドマップがどういうものかを掴みました。

2014年2月9日日曜日

しーたさんの講演会「発達凸凹を活かそう!」@かこむに参加してきました

本日は加古川市のかこむで行われた、しーたさんの講演会「発達の凸凹を活かそう!!」に参加してきました。今回の投稿は参加体験記としてお読み下さい。

しーたさんは、アスペルガー症候群の当事者として、ブログ「私はアスペルガー症候群でしーた♪」や書籍『アスペルガー症候群だっていいじゃない』を発行されている方です。このブログでも「管理人が『アスペルガー症候群の人』のことを『あすぺさん』と呼ぶ理由」という投稿でご紹介させて頂きました。本日の講演会を紹介したしーたさんのブログはこちらをご参照下さい。

講演会で、しーたさんは「発達の凸凹を活かそう!」と題して、以下の3点について話をされました。

1.私のやり方は間違ってるの?


しーたさんは、うまくいかない原因は不安と迷いの気持ちにあることをまず主張されました。その上で、大切なのは、
①苦手を徹底的に避ける(≠逃げる)

②苦手を補う周辺の能力を徹底的に鍛える(これが強みの素になる)

③誰が何と言おうとも①②をやる覚悟

の3点を挙げました。その具体例として、ウサイン・ボルト選手の話を挙げました。

私も初めて知ったのですが、ボルト選手には先天性の脊柱側湾症があり、走ると体に負担が大きくかかるそうです。実際、陸上を始めた頃のボルト選手は脊柱側湾症により故障がちだったそうです。

そこでボルト選手は、コーチの指導のもと、体幹の筋力を鍛えることにしました。その結果、体への負担が軽減するとともに、太ももの蹴り上げる力も増大して走り方も劇的に変化し、ついに世界の頂点に上り詰めることができたのだそうです。

つまり、「苦手を補う周辺の能力」である体幹を鍛えることで、ボルト選手は脊柱側湾症という「苦手を補う」ことだけでなく、太ももの蹴りあげる力という「強みの素」も生み出すことができたわけです。

2.目的と手段を間違えていない?


しーたさんによると、大切なのは、「最終目的を達成すること」であり、そのためには、自分にとっての「最終目的」を見定める必要があることを説きました。ここでは、脳科学者の池谷裕二さんの興味深いお話を聞くことが出来ました。

池谷さんには「九九や公式を覚えることができない」という弱点があります。しかし、彼は「10倍、2倍、半分と足し算、引き算を組み合わせて計算する」、「最小限のことだけ覚えて、毎回公式を導く」という工夫で解決しているそうです。

池谷さんは、①暗記(苦手)を徹底的に避けて、 ②思考力(苦手を補う周辺の能力)を徹底的に鍛えることで、弱点をカバーしています。そして、その思考力が抜群にアップし、ついには、東大薬学部・大学院主席となったのです。

目的が、「正確な値を求める」ことならば、九九を覚えることは手段にすぎません。しかも、問題を解決する手段は多数あることのほうが世の中多いのです。ならば、自分にとっての最終目的を見定め、その上で手段を取捨選択すればいいのです。そして取捨選択の際に、苦手を徹底的に避けるとともに、周辺の能力を活用することが大切なのではないでしょうか?

3.苦手解決を解決するための手段


3つ目は、苦手を解決する手段のお話です。苦手を解決するにあたり、シータさんは、苦手の難易度判定、つまり自分にとっての難易度を見極める必要があるとおっしゃいました。

「1度もできたことがない/ほとんどできたことがない」ことは、とりあえず後回し(昨年の流行語「今でしょ!」の反対の「今じゃない!」精神)にして、「できるときもある/できたりできなかったり」することから手をつけていくことが大切だということです。

複数ある苦手の中で1つだけに集約して取り組めば、二兎を得ることができる!


しーたさんが著書でも言っておられるように、あすぺさんには、定型発達の人と比べて、苦手(≒できないこと)が上乗せされている状態です。
私たち発達障害を持つ人は、「定型発達の人ができないこと」+「発達障害によってできないこと」なのです。他の人よりも、できないことが上乗せされているのです。
『アスペルガー症候群だっていいじゃない』(しーた/Gakken)p.29


そこであすぺさんに大切なのは、「苦手なことを1つだけに集約して解決を図ること」だと思います。

「苦手なことが山積みなのに、1つに集約して大丈夫なのか?」という人もいるかもしれませんね。「他の苦手なことがどうしても気になる」という人もいることでしょう。そんな方には、以下の文章をご紹介させて頂きます。
「二兎追うものは一兎をも得ず」ですが、一兎を追いかけて捕まえることができた人には、二兎目もつかまりやすくなります。
『情報ダイエット仕事術』(堀E・正岳/大和書房)p.41


まずは易しいものから手を付けてできるようにしていきましょう。解決する過程で、「周辺の能力を鍛える」ことを意識していけば尚の事良いでしょう。そして、解決できれば、「解決できた!」という自信がつきます。そして、鍛えた周辺の能力と身についた自信が二兎目(次の苦手解決)を捕まえやすくしてくれるのです。

そう言えば、『アスペルガー症候群だっていいじゃない』(しーた/Gakken)でも、「二兎追うものは一兎をも得ず」が紹介されていました(p.56 あすぺさんのことわざ劇場-1-)。シータさんの著作の中では、「あすぺさんにとって、優先順位をつけて1つずつ集中して仕上げることの重要性」を指摘しておられました。

サイン頂きました&お礼


公演終了後、シータさんにお願いして、書籍『アスペルガー症候群だっていいじゃない』にサインを頂きました。

最後になりましたが、講師のしーたさん、有益なお話とかわいいサインを本当にありがとうございました。主催のエンパワメントかこがわの皆さま、このような機会を設けて下さり、ありがとうございました。そして、大雪の中ご参加された方々、お疲れ様でした。