2013年8月14日水曜日

「慈悲」の精神が自分も他人も癒す

今日はあまりライフハックとは関係ないお話を。少なくともテクニックの話ではないです。

ウツ学生ピアサポートコミュニティの設立

このブログ開設と並行して、Google+で「ウツ学生ピアサポートコミュニティ」というコミュニティページも開設しました。このコミュニティを開設した経緯は過去の投稿を参照して頂きたいと思いますが、先日『脳からストレスを消す技術』という書籍を読んで、このコミュニティを開設した目的というか、「どうしてウツ学生同士のピアサポートなのか?」という問いに対する答えというものを見出すことが出来たので、今日はそのことに触れたいと思います。

脳ストレスをコントロールする二つの機能

著者の有田秀穂氏は、脳ストレスをコントロールするための機能として、

  1. ストレスを受け流す体質をつくる機能

  2. 溜まってしまったストレスを一気に解消する機能


の2つの機能を取り上げ、1.に対しては、セロトニンと呼ばれるホルモンの放出に関係する「セロトニン神経」を活性化することが、2.に対しては、「涙を流す」ことが重要とであるとしています。

涙を流すことによる「共感脳」の活性化

また、有田氏は、
p.192 人は人間関係で傷つくこともありますが、そうした心の傷を癒してくれるのもまた人間関係

p.194 うつや引きこもりから立ち直るには、セロトニントレーニングと人との触れ合い、この二つを地道に続けていくことが最も良い方法なのです。

と言った上で、人との触れ合いにおいて重要な役割をはたすのが、「心」を獲得した人間のみが独自に進化させた「共感脳」であり、「共感脳」を激しく活性化させる方法として、涙を流す事の重要性が再度主張しています。特に、自分がしていることが認められないストレスに対しては、涙を流すことによって、共感脳が活性化されることで癒されるようです。

「共感脳」を働かせることで、自分も癒しながら他人も癒す

そして、本書の最後には、「慈悲」という言葉を例に挙げて話を締めくくります。この締めくくりの話が大変示唆に富んでいます。

有田氏によると、「慈悲」という言葉は、「マイトリー(maitrii)=慈」と、「カルナ(karuNaa)=悲」のサンスクリット語の二つの言葉によって構成されているのだそうです。そして、「マイトリー」は、万人に対する平等な友情を、「カルナ」は、同じ苦しみを味わうことによって生まれる相手を癒す思いを意味し、
p.213 お釈迦様は「慈悲」という言葉で、「共感脳」を活性化させることでもたらされる癒しがあることも説いておられたのです。

と主張します。また、二人一組になり、一人がもう一人の背中を1秒間に1回程度のテンポで、トントンと軽くタッチする「タッピングタッチ」における実験で、タッチされた方も、やった方も、両方のセロトニン濃度が上昇したという結果を受けて、
p.215 他人のために何かをするということは、実は自分を最も幸せにする方法。共感脳を働かせることで、人を癒しながら自分も癒し、よりよい人間関係を築き上げるのです。そして、こうしたよりよい人間関係が広がっていけば、ストレスに悩むことはなくなり、おのずとよりよい社会がつくられてきます。

この文章に出会った瞬間、私は「これこそがピアサポートという形でウツ学生同士が支えあう意義なのでは」と感じ、腑に落ちた思いがしました。「ウツ学生同士が、共感脳を働かせることで、人を癒しながら自分を癒し、よりよい人間関係を築き上げていく。そして、こうしたよりより人間関係を広げていくことで、ウツに悩むこともなくなり、おのずとウツ学生にとってもよりよい社会をつくられていく」。ウツ学生ピアサポートコミュニティが「共感脳を働かせることによって、人を癒しながら自分を癒す場」となっていけば良いなと思いますし、そうして行きたいと強く意識するようになりました。

 

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